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川端康成文学賞全作品Ⅰ 


川端康成文学賞全作品〈1〉川端康成文学賞全作品〈1〉
(1999/06)
上林 暁佐多 稲子

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 私のブログを読まれているということは、おそらく上質な文化をこよなく愛される方々なのだと思いますので、たまにはまじめに本のご紹介。(最近変な感じなので・・・)
 「雪国」や「山の音」で有名な、皆さんご存知の日本が誇るノーベル文学賞作家「川端康成」ですが、その川端康成の名前を冠した文学賞があるのはご存知でしょうか?

 超有名な芥川賞は、その年最も優れた新人作家の純文学短編小説に送られる賞になるのですが、川端康成文学賞は”その年最も優れた作家の純文学短編小説”に送られる賞になります。
 簡単に言うと、新人賞と年間最優秀選手賞くらいの差があります。正直2ランク上です。

 そして、今日紹介するのは、その最高の短編小説に贈られる川端康成文学賞受賞作の全集となる、その名も「川端康成文学賞全作品1」です。

 こちらの全集には、過去川端賞を受賞した全作品と、選評、受賞の言葉が掲載されています。

 第1巻は上林暁「ブロンズの首」、色川武大「百」、島尾敏雄「湾内の入江で」、野口冨士男「なぎの葉考」 など17編で、全て圧倒的にすばらしい短編小説になっています。
 芥川賞が読めなくなる位の勢いの凄さです。新人賞なのでしょうがないですが。

 すごいすごいと言っても解らないので、今回は、その中で特に印象に残ったものを紹介します。



ブロンズの首 上林 暁

 病床の著者の枕元においてある、著者のブロンズの像にまつわる短編です。

 ブロンズの首の製作者の友人は既にこの世を去っており、作者は病床の身として様々な思いを抱きながら、このブロンズの首を眺めます。大病を患った著者が、友人からもらったブロンズの首を通じて、生きることへの小さな希望を得る短編です。
 私は、日本の純文学で何かあげるとしたら、有名どころとして川端康成の「山の音」、無名なところ(失礼な言い方ですが)として、上林暁の「ブロンズの首」を上げることにしています。そのくらいすばらしい短編です。こりゃすごい!



なぎの葉考 野口冨士男
 
 主人公が若いころ旅した、新宮、白浜での旅路で交渉を持った娼婦たちを描いた回顧録です。娼婦との交渉といっても艶めかしい官能の世界と言ったものではなく、記憶の中に残る懐かしい思いで話として語られていきます。主人公の前途を思い「もうこれきりで帰っとくれやす。」と帰らせた心優しい遊女の言葉に、男なら皆ある種の感慨を得るのではないでしょうか。

【引用】
 遊女はソファの肘掛を枕に体を上向きに横たえてから、片手で顔を隠しながら赤い長襦袢の裾をひろげて、覆うもののなくなった股間を大きく左右に開いたまましばらくじっとしていた・・・。
 っとこんな感じですが、決して官能小説ではなく、文学的なレベルが非常に高いので、興味心身で読んだらいいと思うよ!



河馬に噛まれる/大江健三郎

 ウガンダで青年が河馬に噛まれるという不思議な事件が起こるのですが、この事件の一端は日本に住む僕(作者)にも責任があるという、非常に興味のそそる書き出しで始まる短編小説です。河馬に噛まれた青年はウガンダで「河馬の勇士」(!?)と呼ばれるようになるのですが、それが作者とはたしてどうつながっていくのか・・

 もともと、「河馬に噛まれる」「河馬の勇士と愛らしいラベオ」などの数編からなる中篇小説の一章にあたります。この部分だけを抜き出しても文句なく名著。川端康成文学賞全作品の中でも、一番お勧めの短編です。

 一流の文化をこよなく愛される当ブログを読んでくださている方々ですので、たまにはこういった書評的なものも良いかと思い書いてみました、明日は川端康成文学賞全集2のことでも書きまーす。o( `∀´)oウヒョー。

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